障害者グループホームとは?
障害者グループホームは、正式な制度名称を「共同生活援助」といい、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づく障害福祉サービスのひとつとして運営されています。
食事や掃除、入浴など日常生活を送るうえで必要なことのサポートを受けながら、地域の中にある共同生活住宅で暮らし、自立を目指します。
また、障害者グループホームは、一戸建てやマンション、公営住宅等の住戸をそのまま利用しているグループホームが多く、入所施設とは違って、それぞれ2人から数人程度の少人数で暮らしています。
障害者グループホームの目的
障害者グループホームは、「障害者総合支援法」において障害者が地域で自立した生活が送れるように、支援を受けながら地域のマンションや住宅などで共同生活を行う場のことです。
障害のある方にとって、地域で自立した生活を送っていく中で大変なことは少なくありません。コミュニケーションがうまく取れなかったり、金銭管理がうまく行えなかったりすることもあるかもしれません。また、サポートするご家族の高齢化などからご家族の負担が増えることもあるため、障害者グループホームで自立した生活を目指して共同生活を始められます。
この障害者グループホームでは、同じく障害のある方とともに共同生活を通じて地域での自立した生活を目指して日常生活を送ります。
障害者グループホームへの入居は、夢を追いかけて親元を離れて上京する子供のように、障害者の方にとって大きな成長への一歩となります。
障害者グループホームの入居条件
障がい者向けグループホームは、「障害者総合支援法」に基づき、下記のいずれかの障がい者に該当する方が、グループホームを利用することができます。
- 知的障害者
- 身体障害者
- 精神障害者
- 難病患者
なお、障害者グループホームへの入居の際には、「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」のいずれかが必要であり、さらに障害支援区分1~6に認定されていることが原則となります。
障害者グループホームへ入居を検討する際には、相談支援員やお住まいの障がい福祉課などに、入居条件について、前もって確認しましょう。
知的障害者
知的障害とは、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の支援を必要とする状態にあるもの」と定義されています。
児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された方には「療育手帳」が交付され、障害者グループホームの利用が可能となります。
身体障害者
身体障害とは、「先天的あるいは後天的な理由(主に、病気や事故の後遺症)で、身体機能の一部に障害を生じている状態」のことと定義されています。
身体障害者として「身体障害者手帳」が交付される対象の障害は表の通りです。
- 視覚障害
- 聴覚又は平衡機能の障害
- 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
- 肢体不自由
- 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害
- ぼうこう又は直腸の機能の障害
- 小腸の機能の障害
- ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
- 肝臓の機能の障害
精神障害者
精神障害とは、「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその 依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者」と定義されています。
何らかの精神障害(てんかん、発達障害などを含む)により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方は「精神障害者保健福祉手帳」が交付され、障がい者グループホームの利用が可能となります。
精神障害の主な例は表の通りです。
- 統合失調症
- うつ病、そううつ病などの気分障害
- てんかん
- 薬物依存症
- 高次脳機能障害
- 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
- そのほかの精神疾患(ストレス関連障害等)
ただし、知的障害があり、上記の精神障害がない方については、療育手帳制度があるため、精神障害者保健福祉手帳の対象とはなりません。(発達障害と知的障害を両方有する場合は、両方の手帳を受けることができます。)
また、精神障害者保健福祉手帳を受けるためには、その精神障害による初診日から6か月以上経過していることが必要になります。
障がい者グループホーム入居のメリット
自分らしい生活を送ることができる
そもそも、障がい者グループホームは「地域で自立した生活を目指す」ことを目的としています。そのため、地域の各関係者とその人のための「個別支援計画」を作成し、必要な福祉サービスの内容や量を計画します。
そこでは、全て障害福祉サービスで支援するのではなく、必要な部分のみの支援となります。
自分でできることは自分で行うことで、その生活に自信を持てるようになり自立した生活へと向かうことができます。
また、個別支援計画は初回に立案したままではなく定期的に見直しがなされます。自立度の向上や状態の変化に応じて柔軟にサービス内容の変更がなされ、より自立した生活を目指していきます。
他者とのコミュニケーションが取れる
障害者グループホームでは、同じく障害を持つ人々や世話人等のスタッフと毎日をともに暮らすため、共有スペースなどでコミュニケーションを取る機会も必然的に多くなります。
他の入居者やスタッフと協力し合いながら、家事やイベントを行うことで必然的に会話が生まれ、自然とコミュケーションが取れるようになります。
もし、初めのうちや慣れないうちはコミュケーションが不安でも、障害者グループホームには相談に乗ってくれるスタッフがいるので、いつでも対応してもらえます。
必要なサポートを受けられる
障害者グループホームには世話人というスタッフが配置されています。
そのため入居者は、日常生活で不安な金銭管理やお薬管理、安全管理などに対して、必要なサポートを受けることができます。
そのため、障害者グループホームでの生活が困難になることも少なく、自分でできることが増えた入居者に対しては、自立を妨げるような過度なサポートがおこなわれることもありません。
必要なサポートを必要な量受けることで自立生活へと向かいます。
障がい者グループホーム入居のデメリット
施設数や定員数が少ない
近年、障害者グループホームの必要性が論じられており、その数は増加していますが、まだまだ需要数には達していいない状態です。また、障害者グループホームは定員数が限られていることから、入りたい障害者グループホームがあったとしても定員オーバーとなっており、入居したくてもできないことが少なくありません。
そのため、障害者グループホームへの入居を検討される際は、自治体の障害福祉窓口や、相談支援員に、地域のグループホームの空き状況について確認してもらう必要があります。
障害の程度で入居できない場合もある
障害者グループホームの入居者は「支援があれば一人で生活できる人」を対象としています。しかしながら、その障がいの程度によっては入居できないケースもあります。
多くの障害者グループホームは、精神障害、知的障害、身体障害などの障害種別ごとに入居対象者を分けています。なぜならば、支援する専門スタッフの配置や支援する環境整備が必要となるからです。その場合は、入居を制限されることがあります。
中には、入居対象者の制限はなく受け入れ対応をしてくれる施設もありますが、数は限られると考えて良いでしょう。
共同生活に馴染めない可能性もある
障害者グループホームはその特性上、他者とコミュニケーションをとる機会が多くあります。そのため、他者とのコミュニケーションが苦手な方は少し苦痛に感じることもあるでしょう。
しかしながら、最近では本当の一人暮らしのようにワンルームタイプの障害者グループホームも整備されてきており、コミュニケーションに対して不安がある人はこのようなタイプの障害者グループホームも選択肢に入れると良いでしょう。
生活保護でも入居できる
障害者グループホームは生活保護を受けながらでも入居することが出来ます。
必要な手続きや費用負担についてはこちらです。
必要なもの
- 障害者手帳
- 障害福祉サービス受給者証
こちらは、生活保護かどうかに関わらず必要なものになります。
お持ちでない場合は、お住まいの障害福祉窓口で発行申請をしましょう。
必要なこと
- 住民票の移動
これは、生活保護は住民票がある自治体から受けることができるためです。
そのため入居している障害者グループホームと、住民票の住所が遠く離れていると様々な書類を取りにいく際に手間となります。
そのため住民票を移動させてしまう方が、様々他手続きの際にスムーズにいくでしょう。
フリーライフの入居条件例
最後に、理学療法士が運営する障害者グループホーム「フリーライフ」の入居条件をご紹介します。
【フリーライフ鶴橋】
大阪市生野区鶴橋に位置する「フリーライフ鶴橋」は、共同生活型の障害者グループホームです。
エレベーターや、車椅子用のスロープも完備しておりバリアフリー設備が充実した施設です。
区分 | 1〜6 |
種別 | 精神障害、発達障害、知的障害、身体障害、難病疾患 |
対象年齢 | 10代〜 |
専用 | 女性専用 |
【フリーライフ小若江】
東大阪市小若江に位置する「フリーライフ小若江」は、全室ワンルームタイプの障害者グループホームです。
閑静な住宅街に位置しており、プライベートを確保しながら落ち着いて生活ができる施設です。
区分 | 1〜6 |
種別 | 精神障害、発達障害、知的障害、身体障害、難病疾患 |
対象年齢 | 10代〜 |
専用 | 女性専用 |
【フリーライフ平野】
大阪市平野区に位置する「フリーライフ平野」は、共同生活型の障害者グループホームです。
徒歩4分のところにイオンがあり、また最寄の地下鉄谷町線「喜連瓜破」からは梅田や天王寺など主要都市へのアクセスが抜群に良い施設です。
区分 | 1〜6 |
種別 | 精神障害、発達障害、知的障害、身体障害、難病疾患 |
対象年齢 | 10代〜 |
専用 | 女性専用部屋、男性専用部屋 |
障害者グループホームで自立した生活を目指しましょう
入居条件は施設によって様々ですが、共同生活を通じて自立した生活を目指すなら障害者グループホームへチャレンジしていきましょう。
フリーライフでは、皆様の挑戦を応援し全力でサポートいたします。